ななの日常茶飯事

読書好きの日記&読書記録

木曜日にはココアを【本の感想】

 

 

本の紹介

著者 青山美智子

宝島社文庫

刊行 2019年8月

12編の物語。それぞれ違う視点で描かれているがどこかで繋がってる、そんなお話。

 

本の感想

山美智子先生といえばとても有名な作家だ。本屋さんで平積みされているのをみた時ある人も多いのではないだろうか。恥ずかしながら私は今回が初読み。最近の作品を手に取ろうとも思ったが、やはりデビュー作ほどその人を知れる作品はないと思っているので本書を手に取った。

読んですぐに「温かい文を書く人だなぁ」と思った。12編もある小説を読むのも初めてだし、普段はこんな温かい作品を読むことはないのだけれど、読み始めたら最後までノンストップで読み終えていた。通勤通学、休憩中などにぴったりの長さで忙しい人にもおすすめ。

 

12編の物語、12人の視点で描かれているはずなのに綺麗に1つの物語として完成されているのがすごいと思った。1つがたった10数ページで起承転結があって、満足感がある。連作短編集は結構読んでいるけど、ここまで綺麗にまとまっているのは少ないのではないだろうか。

全ての話が全ての話に繋がっているので詳しくは書けないが、本書に出てくるカフェに行ってみたいと思った。温かいココアと共に温かい想いを運んできてくれる素敵なカフェ。まだ私はそんなカフェに出会えていないけれど、今後の人生でカフェ巡りの目標にしようかとも思ったくらいだ。

 

青山美智子先生の作品はタイトルに惹かれることが多い。2021年本屋大賞2位になった「お探し物は図書室まで」も当時タイトルに惹かれた記憶がある。本書を読んだことにより他の作品が気になって仕方ない。次に書店に行ったらまず最初に青山先生の作品を探そうと思う。もしよければおすすめの作品などがあれば教えて欲しいです。