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星を編む【本の感想】

 

 

本の紹介

著者 凪良ゆう

講談社

発行 2023.11

 

本の感想

「汝、星のごとく」の続編として発売された本書。あれから数年、暁海や北原先生、植木さんなどの生活が紐解かれていく。

北原先生の過去を描いた「春に翔ぶ」植木さんと二階堂さんのその後を描く「星を編む」暁海とその周りの人のその後を描いた「波を渡る」の3編からなり、どれも心を打たれた。

 

汝、星のごとくで明かされなかった北原先生の過去の話は思ったよりも重くて、私には北原先生の様に自ら過ちを犯しにいく勇気は無いので、北原先生がどれだけ愛と強さを持っていたか痛感させられた。真実を知った時には驚いたが、それでも北原先生がやった事は何人もの人生を支えて変えた決断だから凄いと思った。

暁海と結ちゃん、菜々さんとの関係も素敵で、それぞれが自由に生きてて幸せそうだった。北原先生と暁海の関係を結ちゃんが羨ましがるのが分かる気がする。大人になって周りの意見や噂に流されずに、何を言われても自分の幸せのために真っ直ぐ進むというのは私には難しいことなので、素直に凄いし羨ましいなと思った。

汝、星のごとくで芯を持った大人として書かれていた植木さん、北原先生、瞳子さんが思っていたよりも強くて凄かった。こんな大人になりたいと思わせてくれた。

 

北原先生が結ちゃんの事を想うシーンが多くて感動したし、一冊の本の中で成長や時の流れを感じた。

「君は失敗などしていません。新しい道を選んだだけです」

引用:星を編む  250頁

どれほど大人になっても、結婚しても、海を渡っても、子供を産んでも、ぼくの中で彼女は永遠に守るべき愛しい娘だ。

引用:星を編む  250頁

 

本当に北原先生と結ちゃんの話は感動するし、北原先生の言葉一つ一つが心に沁みる。菜々さんと北原先生の考え方が、結ちゃんにしっかり受け継がれているのも幸せなポイントだなぁと思う。セレーナも自由奔放で勢いがあるけど、しっかり芯を持っている様なので素敵な大人になるんだと思う。

 

「汝、星のごとく」を読んだ人は本書も読むのをお勧めする。続編なのに失速どころか面白さや感動が加速していて、凪良ゆう先生の想いの引き出しの多さに驚いた。登場人物が多いのに、全員のその後の話がしっかりまとまっていて最後は幸せな気持ちになった。私事だがサイン本も購入できたので、「汝、星のごとく」と共に大切にしていこうと思う。素敵な物語と登場人物に出会わせてくれて本当に幸せだった。